弁護士会会長の会務に関する支出って経費?

第1審東京地裁で、弁護士会会長が弁護士会会務に関連して支出した費用が否認され,これを認めるという判決に対する控訴審判決が平成24年9月19日、東京高等裁判所でありました。

この判決は、他のサムライ業のみなさんにも参考になるのではないかと思います。例えば、ライオンズクラブなどの会費は経費にできない、と税理士さんにいわれたことはありませんか。

私として一番問題視していた1審の「原告の事業所得を生ずべき業務と直接関係し、かつ、その業務の遂行状必要であること」という部分は取り消されました。

そもそも,経費には必ずしも直接性は求められないはずです。

この判決は論理的には複雑に作られています。

やはり弁護士にとって会務は、「事業所得を生じずべき業務」に該当しないといっています。

しかし、そうであっても、事業所得の必要経費に算入することができないか否かというとそれはまた別の問題であるとしています。

そのうえで,弁護士と弁護士会が別人格であるものの、役員等の業務の遂行状必要な支出であれば,

弁護士としての事業所得の一般対応の必要経費に該当するとしています。

そのうえで役員等としての懇親会費は必要経費として認める一方、会長選挙に立候補するための活動費用は必要経費として認めませんでした。

とはいうものの、経費の直接性は条文にも書いていない要件を付け加えるもので不当な東京地裁判決が見直された点は歓迎するべきではないかと思います。

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