金融円滑化法のセミナーが開催されました②

リスケを受けた中で多くが立ち直りが難しいという状況があるという指摘があります。

 

そこで再生の方向性を示していくことが重要ではないか。一つのとっかかりは特定調停ではありますが、最高裁を通じて中小企業の再生にも取り組むようにというロビイスト活動も行っているとのことです。この機運が高まってくるかもしれないという予測もあり得るところです。

 

さて、中小企業の事業譲渡、会社分割について、「第2会社方式による事業再生」の見通しはどうなるかについて、最判平成24年10月12日の判決を紹介されました。最高裁のポイントは会社分割という組織法上の行為の対象になるか否かという大上段の議論での判断にすぎないということです。

 

「株式会社を株式会社を設立する新設分割がされた場合において、新設分割設立株式会社にその債権に係る債務が承継されず、新設分割について異議を述べることもできない新設分割株式会社の債権者は、民法424条の規定により、詐害行為取消権を行使して新設分割を取り消すことができる。この場合においては、その債権の保全に必要な限度で新設分割設立会社への権利の承継の効力を否定することができる」というものです。

 

もっとも、この判例は、上記のとおり大上段の詐害行為取消の対象に「会社分割」が含まれるということを認めたものにすぎません。

さて、個別の望ましい会社分割を使えば事業再生は可能ということになりますが、ここは、私がQ&Aの部分で触れております「望ましい会社分割」のあり方についての指摘もセミナーではなされていました。

「会社分割を行うには、一定の範囲の債権者に対していかなる情報開示を行っているかについては、良い会社分割と悪い会社分割との判断基準になると考えられます。もとより会社分割は債権者保護手続が不要なのですから、債権者の同意は必要ではありません。しかし、遅くとも分割の実行前に一定の情報を開示することが望ましいと考えられています。情報の開示についても、会社分割を行うことによって、残された債権者には不利益が生じておらず、弁済率が上がりますよ、という情報開示を行うことが重要であると考えられます」

と指摘させていただきました。しかし、セミナーではバンクミーティングをしっかりされていたにもかかわらず、総債権の数パーセントしかない債権者からの訴訟でも敗訴例が紹介されました。

 

そうなりますと、望ましい会社分割というのは机上の空論でしかないでしょうか。

 

セミナーでは、これを踏まえた提案もなされておりました。中には大胆なスキームの提案もなされておりましたが、ここでは、詳細は控えさせていただきます。しかしながら、上記の敗訴例というのは、数パーセントの債権者が抜け駆け的に債権を回収をするのはおかしいですね。

どれだけ情報開示をして大方の理解を得られても訴えられてしまう、ということでは、なかなか望ましい会社分割ということができ得るのか、一部の学書が指摘している「望ましい会社分割」ですから詐害行為になされてしまう可能性もあるかもしれないと考えられました。

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