不動産明渡の執行に行ってきました

先日、不動産明け渡しの現場に行ってきました。建物を明け渡せという判決が出ても、被告が出頭しないという場合は結局強制執行をするしかないということになります。

 

そこで、執行官が債務者の占有を確認し、明け渡し期日を債務者に催告して、債務者が断行期日までに明け渡さない場合は、執行官が債務者の占有を解いて空き家の状態にして、債権者に占有を取得させるということになります。

 

執行の費用は以下のとおりです。

・予納金6万円

ただし債務者が増えるにつれて3万円の斬増。

 

私が行ってきたのは、手続としては「執行官の臨場と催告手続」でした。代理人弁護士も執行官と同様催告手続に立ち会います。

債務者がいれば、明け渡してくださいよ、という求めを行うためのものです。執行官は目的不動産が誰が占有しているかを確定させたうえで、その債務者に対して明け渡しの催告を行うことになります。

 

ところが、現地にいっても当たり前ですが公示送達で訴訟を起こしているので、呼び鈴を押しても反応はありません・・・。このように催告をするにしても誰が占有しているか確認してもらわないといけないのでカギ業者との打ち合わせもしておく必要があります。

 

ところが、中に入ると、誰も占有している人はいませんでした。もっとも、多少の目的外動産が残されていましたが、とても価値があるものとは思えないものでした。

 

本来は、執行官は、保管期間を定めて債務者が引き取りに来ない場合は保管場所で保管物の売却を行うことになりますが、現実には債権者が買い取って処分しなければならない、というケースも少なくありません。これらの保管費用は本来は執行費用ですが、実質債権者の負担となります。

 

さて、執行官は無価値と判断して、実際処分費用の方が上回るうえ、同居の親族もいないので相当のわきまえのある者に引き渡しもできないし、即日売却も無理でしょうが、無価値と認められるものについては、一定期間の保管も省略することができる場合があると考えられます。なお、最近は一定期間の保管を代行してくれる業者もいます。

 

手続は執行官の臨場と催告に立ち会うつもりでしたが、その場で多少予想されたこととはいえ、建物の明け渡しが行われたのでした。そうしたことも予測して、カギを壊して中に入るので、新たなカギを取り付ける準備もしておかなければならないなど、執行には様々なポイントがあります。

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