スポーツ選手の心の整え方

フィギュアスケートの安藤美姫さんが引退を表明されました。彼女は,未婚の母になったことを公表しソチ五輪への参加を目指していました。また,織田信成さんも同様に引退を表明されました。

 

おつかれさまと声をかけてあげたいですね。名古屋はフィギュアスケートの選手の輩出が多く,安藤さんも名古屋の方でしたし,練習場のスケートリングも傍にありました。今後,指導者として活躍されたいとのことでしたので,益々のご活躍を期待したいと思います。

 

さて,安藤さんの勇気ある告白というのも,結果的には必要なかったのではないか,という評価もうまれてくるところだと思います。しかし,彼女なりに気持ちを整理していくということで,対外的に発表してソチ五輪に取り組むという環境作りをしたかったのではないか,というように考えています。

 

日本のスポーツ選手のマジョリティは,今でも寡黙にトレーニングにはげみ結果を出せば評価されるというように思いますが,最近は,話すことを求められるようになり,タレント性も必要性になってきているという点で,スポーツ選手も大変だな,と思ってしまいます。やはり発言の内容をみていると精神面の豊かさがにじみ出るものですから,文武両道というか,社会のメンターとしての発信も必要になるので,大変だな,と思います。そういう意味では,日本でもスポーツ選手に求められているものが変わってきたのだな,と思います。

 

安藤さんの告白のようなことは古今東西起こっています。先月,英国でアイドル的人気を持っているトム・デーリーさん(19)が,同性との親密交際をユーチューブ上で告白しました。

デーリーさんは,オリンピックメダリストが尊敬される英国で敬意をもって扱われています。

天真爛漫な笑顔で,BBCニュースに出演したり,ロンドンオリンピックではポスターボーイとなり,デパートには彼の写真が屋外に大きくかざられたり,バラエティ番組のホストを務めたりという光の面が目立ち,アイドル的人気を持っています。

一方で,ロンドン五輪前に最愛の父親を亡くしたり,学校でいじめられていたり,同性愛者と疑われてヘイトスピーチの被害に遭ったりと多くの影をも持っています。

彼は,正直に行きたいということが告白の理由としていたようです。アイドル的人気を持つため,連日彼のガールフレンドの話題で持ちきりになることも少なくなかったようです。

 

彼の告白は,英国では好感を持って受け止められています。先月,どの新聞も彼の記事が一面に掲載されるということでしたし,BBCニュースもこれを取り上げています。

 

やはり,リオ五輪を目指すためには,迷う心を整理するために告白が必要と考えたようです。しかし,結果的に,デーリーさんの告白により交際相手に注目が集まり,オスカーの脚本家であるものの,急進的な同性愛の活動家であること,みだらな写真がインターネット上に流出させたことがあること,デーリーさんと20歳も年上など,英国人ならずとも驚くことが多いように思います。

 

心の整え方,心の持ち方というのは難しいですが,静かに自分と向かい合うということが一番大事ではないかと思います。デーリーさんの行動は,短期的には賞賛されるでしょうが,彼の行動にはソチ五輪に対するプーチン大統領の同性交際についての否定的なスタンスに対する批判をしているという政治的なメッセージを持つことになるでしょう。リスクをとるつもりがあれば良いのですが,正直に生きたい,というだけでは,政治的な抗争に巻き込まれてしまう恐れがあるし,彼の演技に性的な印象がつきかねないものだ,と思ってしまいました。

 

表現の自由の舞台であるパブリックフォーラムで,このような告白をすることが適切であるのか,思想の自由市場に何を期待していたのか,よく分かりません。往々にして,うまくいかないのは「マスメディアが騒ぐから」という他罰的思考が根底にあることが多いと思うのですが,マスメディアを意識しすぎてかえって火に油を注ぐ結果になってしまっているように思います。

アスリートは芸能人ではないのでマネージングをする方がいないのが原因のように思いますが,彼らに求められる役割に変化が起こっているのであれば,それをフォローする態勢を整えてあげるべきなのではないかな,と考えてしまいます。

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