サクラサイトに振込先口座の提供を行っている会社及びその代取の損害賠償責任

本判決では、サクラサイトで被害にあった原告が、被害金の送金先口座の名義会社及びその各社代表者に対して被害金及び弁護士費用相当額を連帯して支払うよう求めた事案である。

 

本判決は、サクラサイト運営者につき詐欺による不法行為が成立することを前提として、被告らについては、振込詐欺の「出し子」に関する報道が多く行われている中、当該サイトの実体をよく解任しないまま、犯罪収益移転防止法で罰則をもって禁止されている第三者に対して有償で口座を貸し出す行為をしている。

 

・その行為は、動機・経緯自体が怪しいこと、口座に振り込まれた現金を引き出して、これを交付するという業務自体不自然であること

・口座に振り込まれた現金を引き出してこれを交付するという業務自体不自然であること

・現金の引渡し方法も振込詐欺を容易に想起されるものこと

・被告A社及びA1については、旧口座が凍結された直後に新口座を提供していたこと

・詐欺の出し子にあたることを十分認識していたことの推認の根拠

 

以上から共同不法行為とされたものである。しかし、損害の範囲については、被告らには、上記の事実をもってしても共謀が認定できないとされており、個別的に「各名義の口座に送金された範囲についてのみ個別に不法行為が個別に発生する」と個別に不法行為の成立をも認定していることから、従来の解釈を変更するものではないと思われる。

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