労働審判制度:裁判所との打ち合わせ会が開催されました

先般,名古屋地方裁判所で労働の案件を主に担当する部と県弁護士会労働審判に関する委員会との打ち合わせ会があり、会の委員として参加してまいりました。

 

労働審判手続きは、3回以内で終わるというスキームで作られています。ですから、簡易迅速な労働に関連する紛争を解決することができる、あるいは試みることができるということになる制度です。

 

もっとも、弁護士会と裁判所との打ち合わせでは、労働審判に向く事件の厳選というのも必要ではないか、という意見も出されました。

 

たしかに、複雑で当事者が多い案件は多様な利害を調整しなければならないことから、3回で終わらないかもしれないということも考えられます。また、労働紛争とはいっているが、その実際は同族企業の経営権をめぐる紛争であったという事例で東京地裁が申立自体を不適法として却下した例などが判例雑誌で紹介されています。

弁護士会と裁判所では、法律上、当事者の同行が必要であるし、重要であるということも意見の一致をみたというところではないかと感じました。

 

労働審判は、第1回で事実の取り調べを終了してしまうことが多いので、当事者がおられないとお話をうかがうことができず、それを前提に労働審判を進めていくことにならざるを得なくなるのではないか、と考えられます。

 

こうした打ち合わせ会での成果も得て、今後とも労働審判制度の円滑な遂行を通じて社会貢献を行ってまいります。

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