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独立に際してのトラブル

従業員の在職時代のノウハウの利用

 不正競争防止法2条1項7号における「示された」という意味については,従業員が在職中に水から開発したノウハウや自ら収集した顧客情報等を使用する行為が不正競争行為に該当するか問題となります。

 

 考え方としては,元従業員が在職中に自ら確立したノウハウについては、裁判所は,ノウハウの確立も会社の業務の一環としてノウハウ自体は会社に帰属するとして,元従業員は会社から営業秘密を「開示された」と認定しています(大阪地判平成10年12月22日)。

 

 また,元従業員が在職中に顧客情報を収集し利用した行為については,会社に蓄積され会社において管理されていたものとして営業秘密情報である顧客情報は開示されたものであると示されています(不正競争を認める、札幌地決平成6年7月8日)。

 

 これに対して、営業秘密の取得経緯、営業秘密の成立経緯を検討し、問題となった営業秘密が「示されたか」を検討して否定する裁判例も多くみられます。具体的には商品の仕入れ価格、会員情報、マニュアルなどは原始的に保有するものとして「示された」というものにあたらないとしています。否定例では営業秘密が示されたものではないことを理由として、示された、つまり開示された営業秘密であるか否かを問題としています。

 

 よくご相談いただくものとしては、仕入れ価格です。しかし、売買価格は、売買の主要の要素であり、売主・買主の折衝を通じて形成される。そして、価格の合意を通じて原始的に取得される情報である。仕入れ価格は、買主としての地位に基づき、売主との間の売買契約締結行為を通じて原始的に取得するものである。つまり,会社から開示を受けたものではない、としています。

 

 さらによくご相談いただく案件としてマニュアルをパくられたというものです。裁判所は、本マニュアルは、業務委託契約に基づき業務を履行するための具体的な手順を詳細に記載したものであり、・・・XとYの合意の下に作成されたものである・・・本件マニュアルの情報をお互いに原始的に保有することになったものであって,YはXからxが保有していた本件マニュアルの情報を「示されたものではない」として不正競争を否定しています。

 

 これらは、従業員が在職中に開発したノウハウや顧客情報が問題とされた事案について否定傾向にあるものと分析されます、。たしかに従業員が自分で作ったノウハウを,会社が従業員に開示したと擬律するのは難しいように思われます。営業秘密の成立に関して、当事者の関与・寄与度に差がないような場合は、営業秘密は当事者双方が、原始的に取得したものと解され不正競争はないという帰結になる可能性があります。

 

 この場合、仮に「示された」の要件を、事実として開示を受けたか否かという理論的な判断で考えると、従業員が在職中に開発したノウハウや自ら収集した顧客情報を退職後に利用する行為は不正行為に該当しない可能性が高くなることになります。こうした結論の不当性を修正する理論として,情報の帰属や管理可能性を問題として,折衷的な解決をしようとしているものと解されます。

 

 結論的には、従業員が、在職中に自ら開発したり、収集したりした営業秘密に関しては,特約において、従業員に対して秘密保持義務を課すことで対応することが現実的であると考えられます。

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