渉外離婚①-裁判管轄

外国人の方であっても、日本国内での渉外離婚事件の場合、判例の国際裁判管轄決定基準によりますと、当事者双方が日本国内に住んでいるのであれば、その国籍に関わらず日本の裁判所に国際裁判管轄が認められることになります。

それでも外国にいってしまった配偶者に対して離婚訴訟を起こす場合はどうなるのでしょうか。

この点は、「遺棄」して出ていったという場合は日本における裁判管轄が認められます。

逆に言うと「性格の不一致」ということで海外にいってしまった場合については、日本の裁判管轄はないということになるといえます。

日本の国際裁判管轄決定基準は、基本的には被告の住所を基準としています。国籍が基準になるのではないのですね。

ですから、日本人夫婦同士であっても海外に居住している場合は、どこの国の裁判所に管轄があるかということが問題となります。

こうしてみると「遺棄」とは何であるか、ということが意外と大事だ、ということが分かってきますね。

典型的には日本人妻と外国人夫が結婚したものの、夫が自国に帰ってしまった場合です。

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