のれんの資産計上

のれんを資産として計上することができるのは、有償取得の場合に限られます。要するに「取得」していない場合や「無償」の場合については「のれん」を資産として計上することはできません。

 

なぜ、有償取得に限られるかというと、原則としては計上できないが例外的に有償取得の場合は認められているという理解が整合的と思われます。なぜなら、有償取得のれんは、超過収益力を示すものであることから、将来の収益獲得能力を示すものと考えられています。そして、取得にあたり対価を支払っているのですから、恣意性を排除した客観性のある評価が可能と考えられるから、「のれん」の資産計上が認められているといえます。

 

もっとも、伝統企業の場合については「自己創設のれん」を「資産」として計上したいところかもしれません。しかし、自己創設のれんというのは、企業自身がつくりあげてきた超過収益力を根拠にしたものと考えられています。そして、自己創設のれんが「資産」として計上することができない理由は、①対価の支払いがない、②客観性の評価ができず恣意性が介入してしまう-の2点にあると考えられています。

 

ポイントは、対価の有無、客観性の担保の有無ということになると考えられます。

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