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フランチャイズトラブル

フランチャイズの乗り換えトラブル

わくわくクリーニング(以下X)との間でクリーニングのフランチャイズ契約を締結していたYは、Xとの日頃のやりとりから不満を募らせていました。そして、別のきらきらクリーニング(以下A)から、Xよりも好条件でのフランチャイズ契約を打診された。そこで、Yは、Xとの契約を解約してAの店舗として営業を開始した。

 

そこで、Xは、Yに対して競業避止義務に違反するとして、違約金条項に基づいて3ヶ月分の平均売上高の12ヶ月分の違約金を請求。これに対してYは、フランチャイズにおける加盟店側の義務が尽くされておらず債務不履行がある、違約金条項は適用されない、公序良俗違反で無効と主張しました。

 

高裁の判決は、「3ヶ月分の平均売上」を違約金算定の基礎とする合理的根拠はないとしました。つまり、この契約ではYがもらえる金額は売上高の25パーセントであり、逆にいえば75パーセントを上納していたわけです。そうすると1年間の売上高を違約金とするということは、Yを基準に考えると4年間に手にできる手数料分を遙かに上回ってしまうということになります。

 

高裁の判決は、「売上高4ヶ月分の違約金(1年4ヶ月分の手数料収入にあたるもの)を超える部分は公序良俗に違反するとしました。

 

この判決は大阪高判平成10年6月17日です。もちろん上納金が75パーセントということになるわけですが、自分がもらえると仮定してきた1年4ヶ月分のフィクションとしての事業者としての「売上」をはき出す、ということを求める判決はフランチャイジーないし取次店側に厳しいなあ、というのが率直な感想です。

 

純粋な水揚げである売上高の4ヶ月分が適正な損害賠償額なのか理由が分からず、本人であるYの取り分からすれば、1年4ヶ月分の取り分をはき出さないといけないわけです。給与労働者の発想からいきますと、営業マンが自分が立てた売上の4ヶ月分をはき出せ(それは1年4ヶ月分の給与額に相当)と置き換えてみても厳しすぎるな、という感想を持ちます。平均売上の2割5分の6ヶ月分を妥当とした名古屋高裁の判断と比べても、フランチャイジーないし取次店側に厳しい判決ではないかと考えられます(名古屋高判昭和52年11月9日)。

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