オープンアカウントの過剰与信

フランチャイズで,オープンアカウントとは,フランチャイズとフランチャイジーとの間で一種の相殺勘定を設けることで相互の債権債務関係を簡略化する決済システムのことをいいます。もっとも,本部の加盟店に対する貸付勘定という意味合いが強いような気がします。一種の本部による加盟店に対する金融システムとも位置付けられると考えられます。

 

本来は独立した事業者であるので加盟店が自分で会計管理をするのが当たり前なのですが,実際は本部にいったん全部上納したうえで一定額の支払いを受けて,これを『給与』と呼んでいる人もいます。

 

オープンアカウントは,交互計算をすることになりますので,一定の与信を与えることになりますので,加盟店の会計処理について正確に把握する必要があるためとされています。

 

ところで,オープンアカウントは,加盟店が資金繰りは本部がしてくれることになりますので放漫経営を招くことがあります。毎月赤字でオープンアカウントによる赤字が多額になっても,放置をして経営を続ける例があります。

 

オープンアカウントは貸付金としての側面もあり金利負担も重くのしかかります。

 

もっとも,加盟店はあくまで独立した業者なのですから,これを法律問題として信義則上の保護義務違反とすることは難しいと思います。加盟店は『給与』などという呼び方は止めて,独立した事業者としてオープンアカウントに安易に頼らず,経営革新を行っていく必要があります。

 

また外部環境の変化で,事業の維持が難しい場合,オープンアカウントによって借金の額が拡大することが多いので,早めに見切りをつけることも必要ではないかと思います。

 

こうした見切りをつけるタイミングは事業の経営改善が可能であるかどうかを見極めることになろうかと思います。こうした判断は早めに行わないと住宅や保証人の息子さんなどにも迷惑をかけたりすることがあるかもしれません。

 

お早めに弁護士に相談されることをおすすめいたします。

ページの先頭へ
menu