会社分割が詐害行為で取り消された判例があるのですか。

最判平成24年10月12日は、新設分割設立会社にその債権に係る債務が承継されず、新設分割について異議を述べることのできない新設分割株式会社の債権者は、民法424条の規定により、詐害行為取消権を行使して、新設分割を取り消すことができるとしたものである。

この最高裁判決は、「新設分割設立株式会社にその債権に係る債務が承継されず、新設分割について異議を述べることもできない新設分割について異議を述べることもできない新設分割株式会社の債権者」は取消権を行使することができると述べているにとどまっている。したがって、下級審と比較して、債権者一般について詐害行為取消権の行使を認めるものではなく,この点は将来の残された課題とされている。

この判決では、「その債権の保全に必要な限度で新設分割設立会社への権利の承継の効力を否定する」ことが認められている。しかし、原状回復の方法として価格賠償が認められるか否かは最高裁の判決からは明らかにされていない状況にある。

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