財団債権とは何ですか。

財団債権というのは、破産手続による配当などの手続によることなく、破産財団から随時弁済することができるものです。

破産手続というのは全額の弁済はなされませんので、破産手続という公平さの担保された手続により手続が実施される点に正当化根拠があるわけですが、財団債権というのは、政策的理由もあれば、公平さの担保など様々な立法政策が入り込んでいます。

具体的には、破産管財人が双方未履行の双務契約について契約の履行請求をした場合における相手方の契約上の請求権は財団債権とされています。例えば、A機械にB工作を加えたAB製品が高額で販売することができる場合に、破産管財人としてはB工作を加えるように、B社に履行を請求した場合のB社の破産会社であるA社にある対価というのは財団債権に該当するものと考えられます。

また、労働債権の一部も財団債権です。

したがって、公平性が尊い価値を持つ破産手続で、破産手続を経ないでも良いというのは、かなり限られるケースであるということができると思います。

もっとも、疑問が持たれるのは、租税等請求権は財団債権とされていることです。税金の債権が優先になることが「公平」であるか、というとまではいえないと思うのですが、破産手続開始前の原因に基づいて生じた租税の請求権で、破産手続開始当時、まだ納期限が到来していないもの又は納期限から1年を経過していないもの、破産手続開始後の原因に基づいて生じた租税等の請求権で法148条1項各号に該当するもの-が財団債権となります。

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