高齢者への仕組債販売について適合性原則違反と説明義務違反

東京地裁平成26年6月17日判決では、みずほの担当者に勧誘され、4種類の仕組債を相次いで購入したものの、約3946万円の損害を被った女性(当時77歳)が、みずほ証券及びみずほ銀行に対して不法行為による損害賠償を請求した事案です。

外国会社が発行したエクイティリンク債、EB債が問題となりました。

 

参照銘柄の動向次第で利払い期間及び利率、償還日及び償還内容が大きく左右される株価変動リスクや流動性リスクがあり、さらに一部の外貨建ての商品の場合には、為替変動リスクもあった。

 

判例は、やはり各商品の具体的な商品特性を踏まえています。したがって、商品の具体的な特性を踏まえることが重要であると解されます。

 

具体的には「本件各商品の含むリスクが相当程度大きく、原告は本件取引によってその抱えるリスクを過大に負担することになったものであり、かつ、そのリスクの大きさ及び仕組の難解さに鑑みれば、本件各商品の購入による損得を適切に判断するためには相当程度高度の投資判断能力が要求されるものであったと認められる」として、みずほ証券の担当者の勧誘行為について適合性原則違反を肯定しています。そして、「本件各商品の取引に伴う危険性を具体的に理解できるような情報が、必要な時間をかけて十分に提供されたとは認めがたい」として、説明義務違反を肯定しています。過失相殺3割をしています。

 

最判平成17年7月14日の判断枠組みの中での判断とみられています。

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