インターネット掲示板における名誉毀損。

最近、なりすましによる冤罪被害が起きているとのことです。

 

特に、無罪を訴えて途中で気付いてもらえた方は不幸中の・・・ということかもしれませんが、

 

19歳の少年に至っては保護観察の処分を家庭裁判所から受けていたことが判明しました。

 

少年の場合は、警察での勾留に続いて、鑑別所に4週間から6週間も身柄を拘束されてしまいます。

 

一部の情報では、某大学を退学に追い込まれたとの報道もありました。

 

弁護士ながら冤罪のおそろしさを見せつけられました。ちなみに警察官は「罪を認めれば罪が軽くなる」といったというのですから怒りを感じます。

 

その後も少年の事件では、詳細な自白調書が作成されていたと日本テレビに報道されました。少年は誘導に乗りやすいこともあるので、特に注意が必要です。

 

さて,そうはいうものの、誹謗中傷を書き込まれた被害者の方はどのような対処をするべきなのでしょうか。

 

まずは、掲示板への投稿者に対する不法行為に基づく損害賠償請求や記事の削除請求を行うことが可能です。

 

実は私たちも、誹謗中傷の書き込みの投稿者を追いかけるにはIPアドレスを追跡します。したがって,警察の二の舞とならないように他山の石としなければなりません。

 

また、刑事手続として名誉毀損で刑事告訴をするということも考えられます。

 

また、掲示板管理者に対する損害賠償請求をすることも考えられます。もっとも、プロバイダ責任法3条1項によって、要は簡単に名誉毀損を防げるのに、それをしていないなど,

 

一定の場合でなければ免責されてしまうことになってしまいます。

 

さて、世の中では、朝日新聞VS橋下市長の論争が注目を集めているようです。これは、橋下市長の出自をあばき被差別部落の出身などと論じる論考を週刊朝日が公表したことに対して,

 

橋下市長が朝日新聞の取材拒否で対抗している、ということです。

 

この点、表現の自由の法理からいうと,橋下市長の発言は、とても興味を持ちます。

 

意見ないし論評の表明による名誉毀損については、意見ないし論評の基礎となった事実の重要な部分について真実であること又は真実であると信じたことについて,

相当な理由が存することが求められています。

 

しかし,思想の自由市場論からいくと,言論には言論で対抗するのが望ましい(カウンタースピーチといいます)のですが、世の中、そう発信力のある人はいません。

 

一般市民が自分のブログで反論を試みたところで朝日新聞にでかでかと中傷記事を書かれてしまえばひとたまりもないのです。

 

ところが橋下さんは、記者会見の場で朝日新聞記者に対して質問を投げかけ、ツイッターでも反論してそれがテレビに取り上げられるなど,対抗言論を成り立たせることができる希少な人物なのかもしれません。

 

ただ、表現の自由の法理によれば、朝日新聞によって名誉を毀損された橋下さんは「対抗言論」により名誉の回復が可能であるので、国家が救済する必要はなく当人たちの自由な言論に委ねるべきということとなります。

 

ですから、権力者VS巨大新聞の戦いは法的な解決にはなじまないのかもしれません。

 

しかし、あれだけ人権、と騒ぐ新聞でありながら、橋下氏の親族が被差別部落の出身などと誇らしげに報道する朝日新聞は「民主主義の敵」「日本国憲法の敵」といわれても仕方がないでしょう。

 

それにしても、子会社だから朝日新聞は関係ないという弁明は笑えてきました。それはもう少し出資を下げないと通用しない言い訳なので、100パーセント出資会社では滑稽としかいいようがない。

 

これは、潔く謝罪するのが、人の道でしょう。

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