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仕組債についての説明義務2016/03/26

岡崎支部平成27年12月25日が仕組債について説明義務を認める判決を言い渡しました。

 

近時、最高裁で、1審、2審を破棄して説明義務を否定したケースも登場していたところです。

 

同じ仕組債でも、最高裁平成28年3月15日は、説明義務違反を否定しています。

 

 

最高裁の場合は専門職代理人の関与があることが大きい衣ように思います。

たしかに、仕組債の具体的な仕組み全体は必ずしも単純ではないが,上告人Y2は,Cらに対し,D債券を本件担保債券として本件インデックスCDS取引を行うという本件仕組債の基本的な仕組みに加え,本件取引には,参照組織の信用力低下等による本件インデックスCDS取引における損失の発生,発行者の信用力低下等によるD債券の評価額の下落といった元本を毀損するリスクがあり,最悪の場合には拠出した元本300億円全部が毀損され,その他に期日前に償還されるリスクがある旨の説明をしたというべきである。そして,Aは,消費者金融業,企業に対する投資等を目的とする会社で,その発行株式を東京証券取引所市場第一部やロンドン証券取引所に上場し,国際的に金融事業を行っており,本件取引について,公認会計士及び弁護士に対し上告人Y2から交付を受けた資料を示して意見を求めてもいた。

そうすると,Aにおいて,上記説明を理解することが困難なものであったということはできない。
Aが本件取引に係る信託契約の受託者や履行引受契約の履行引受者との間で折衝に入り,かつ,上記事前調査の予定期間が経過していたからといって,本件取引の実施を延期し又は取りやめることが不可能又は著しく困難であったという事情はうかがわれない。そして,本件仕組債が上告人Y2において販売経験が十分とはいえない新商品であり,Cらが金融取引についての詳しい知識を有しておらず,本件英文書面の訳文が交付され
ていないことは,国際的に金融事業を行い,本件取引について公認会計士らの意見も求めていたAにとって上記各事項を理解する支障になるとはいえない。
したがって,上告人Y2が本件取引を行った際に説明義務違反があったということはできない。

 

最高裁のポイントは、仕組債の仕組みが単純でなければ説明義務は高度なものとなるはずで、特に元本割れのリスクなどについて正確に説明をしていたかという判断に流れやすいといえます。しかしながら,基本的な枠組みの説明はしており、そもそも投資会社であるから投資経験は豊富であること、取引に際して公認会計士や弁護士に意見を求めていたということからすれば、説明不足と損害との間に因果関係がないという判断のように思われます。

 

これに対して岡崎支部は、為替が円安に進めば、高利回りでの運用が期待でき、クーポン発生や償還の条件などは理解しやすいという前提にたっています。そうなると、説明義務の程度も低いもので足りるということになりそうです。しかし、岡崎支部が注目したのは、投資資金の拘束が続くことでした。たしかに、塩漬けにされてしまうと、今引き出すと大損という場合は引くに引き出せません。最悪30年投資資金が塩漬けにされる可能性があるものでした。

 

このため、多少の投資知識をもっていても、専門的とはいえず仕組債の購入歴がないことに照らして、このような塩漬け期間が長くなりそうな仕組債の販売は一見理解が容易そうではあるけれれども,「相当具体的な説明をする義務がある」という判断をしています。本件でのポイントは、塩漬け期間の長さとそれに関連した途中売却による元本欠損リスクの存在という商品特性にあるので、説明義務の程度が上昇したとみることができます。

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