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税務

実質的な租税回避行為の否認

 武富士事件(最判平成23年2月18日判例タイムズ1345号115頁)は、法令上の根拠がない限り否認はできないという趣旨が含まれています。

 

 しかし、否認に関する規定がなくても、私法上の行為が私法上の真実の法律関係に立ち入って、真実どのような行為が行われているかを認定されてしまいます。

 

 分かりやすくいえば、税負担を目的とする取引が仮装行為の場合については、真実には存在しないと認定されるとそれに即した法的効果は税務上は生じないということになってしまいます。

 

 認定課税と呼ばれるものも、こうした私法行為の否定があります。

 

 ですから、私法行為については、慎重に税庁の認定も意識しながら行う必要があります。

 

 いわば私的自治行為に関する国家の介入で、民法で自由ですよ、という建前ながら認定課税で、国家の介入を許して契約を変えられてしまう、というのはおかしいようなところもあります。

 

 何が、私法上の真実の法律関係であるかの認定は、取引当事者の効果意思に即して、極めて慎重に行われるべき、と考えるのですが、認定課税は積極的に行われています。

 

 税庁が、「私法上の法律構成」の名のもとに、仮にも真実の法律関係からはなれて法律関係を構成しなおすことは許されないというべきである。

 

 具体的に認定課税がなされるとものは、映画フィルムが事業用固定資産にあたらない、特約に基づいて収受した違約金を借地権設定の対価と認定、取引当事者に関する仮装はなかったと認定された事例、同じ相手に対し、不動産の譲渡と株式の譲渡がなされた場合の後者の対価の大部分は前者の対価と認定された例などがあります。

 

 このように具体的な否認行為はなくても私法行為を否認されて、契約書を塗り替えられてしまうということもあります。東京高判平成22年5月27日判時2115号35頁は、具体的否認行為がない場合であっても、「租税回避を目的として、当事者の選択した契約が不存在と認定される場合又は当事者の真の効果意思が欠けつし、もしくは虚偽表示により契約が無効と認定される場合には、当事者の選択した契約類型を租税回避行為として否認することが許される」との判断があります。これは、真実の私法上の真の法律関係ないし事実関係に即した課税の別の呼び方といえます。認定課税と呼んでも良いと思います。

 

 ですから、個別の否認規定がなくても、私法上の行為を否認されて、追徴されてしまうということがあります。

 

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